はじめに
資産シミュレーターを作ると聞くと、「グラフを表示するのは難しそう」と感じるかもしれません。
しかし、実際の流れは意外とシンプルです。
Pythonでは、計算したデータを作り、そのデータをグラフ作成ライブラリへ渡すだけでグラフを表示できます。
今回は、資産シミュレーターが完成するまでの全体の流れを整理します。
次回以降は、この流れに沿って一つずつプログラムを作成していきます。
全体の流れ
資産シミュレーターは、次の順番で作成します。
入力
↓
複利計算
↓
毎年の資産額をリストに保存
↓
グラフ作成ライブラリ(matplotlib)へ渡す
↓
折れ線グラフを表示
一見すると複雑そうですが、一つひとつはシンプルな処理です。
① 毎年の資産額を計算する
まずは、入力された金額から毎年の資産額を計算します。
例えば、投資資産額100万円、想定利回り5%、運用年数30年の場合は次のようになります。
年数 資産額
0年 → 1,000,000円
1年 → 1,050,000円
2年 → 1,102,500円
3年 → 1,157,625円
・・・
30年 → ○○円
まずは、このデータをPythonで作成します。
ここでは、複利計算の考え方やfor文を使った繰り返し処理を学びます。
② データをリストへ保存する
グラフを描くためには、横軸と縦軸のデータが必要です。
例えば、次のようなリストを作成します。
years = [0,1,2,3,4,5・・・30]
assets = [1000000,1050000,1102500,1157625,・・・]
この場合、
yearsが横軸(年数)assetsが縦軸(資産額)
になります。
つまり、Pythonで計算したデータをリストへ保存するだけで、グラフを作る準備は完了です。
③ matplotlibへデータを渡す
続いて、グラフ作成ライブラリのmatplotlibを使用します。
やることは難しくありません。
作成した2つのリストをmatplotlibへ渡すだけです。
イメージとしては、
グラフ描いて!
横軸
↓↓↓
years
縦軸
↓↓↓
assets
とお願いするような感覚です。
すると、自動で折れ線グラフを作成してくれます。
資産額
│
│ ●
│ ●
│ ●
│ ●
│ ●
│ ●
└──────────────────
0 5 10 15 20 25 30
年数
数値だけでは分かりにくい資産の増え方も、グラフなら一目で確認できます。
④ Webアプリとして表示する
最後は、作成したプログラムをWebアプリにします。
ユーザーはブラウザから数値を入力するだけです。
投資資産額 100万円
利回り 5%
運用年数 30年
[シミュレーション]
ボタンを押すと、裏側では次の処理が実行されます。
Python
↓
データを作成
↓
matplotlibでグラフを作成
↓
ブラウザへ表示
つまり、ユーザーは複雑なプログラムを意識することなく、簡単に資産シミュレーションを利用できます。
このシリーズの進め方
このシリーズでは、次の順番で開発を進めます。
- 投資資産額や利回りを入力する
- 複利計算を行う
for文で毎年の資産額を計算する- リストへ保存する
- matplotlibでグラフを表示する
- StreamlitでWebアプリ化する
一つずつ完成させることで、Pythonの文法だけではなく、「実際にどのように使うのか」も理解できるようになります。
まとめ
資産シミュレーターは、一度に完成させる必要はありません。
まずは入力を受け取り、計算し、その結果をリストへ保存します。
そして、そのデータをmatplotlibへ渡せばグラフが完成します。
最後にStreamlitを使ってWebアプリ化すれば、ブラウザから誰でも利用できる資産シミュレーターになります。
次回からは、この流れに沿って実際にプログラムを書きながら、一歩ずつ資産シミュレーターを完成させていきます。




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